セールスマンの「現車研究」 2

途中で運転を交代しながら、実験をくり返します。


ゴールは研修所としました。


対抗車種との乗り比べもやりました。


研究発表は翌朝となりました。


それまではチームごとに、かんかんがくがくのディスカッションによって、テーマに関する発見とその共有化に力を注いでいきます。


各チームの発見の評価は、全員の投票によることとしました。


セールスマンは、一日のほとんどをお客と接しています。


お客の関心をいやというほど聞かされ、微妙な数値まで意識させられています。


自分が売っている車がどこの車と比べてどうだとか比較されつづけて、悔しい思いもしています。


したがって、研究テーマへの目は、自ずと研ぎ澄まされて鋭いものなのです。


各チームによる発見が集大成される発表会が終わるころには、メーカーから送られてくる説明書の内容などはすべて自分たちの言葉でクリアしてしまい、さらに、それ以上の発見をやってしまいました。


セールスマンの「現車研究」

ある企業では、新型車の発売にあたっては、メーカーからディーラーに、商品知識を盛り込んだ4、50ページにわたる印刷物が、発売に先だって送られてきます。


これには、メーカー側で用意したセールスポイントから、セールストークにいたるまでが示されています。


どっちみちこの種のものはあまり読まれはしないのですが・・・


むしろ読まないことによって、新モデルをよりよく知ろうというのが、ここでいう「現車研究」です。


最初にやることは、新車に関する事前情報をわざわざ締め出すことです。


3カ月ぐらいまえから、本社の郵便受け担当者がそれに気をつけはじめます。


そして、展示用の車が到着してから展示会までの間を利用して、セールスマン全員で、新モデルの特徴を、現物によって研究するのです。


折悪しく最初の試みのときは、車の到着が展示会前日ということになってしまいました。


走行性能、運転への対応性能、乗り心地、室内装飾などの研究テーマを設定して、展示会前日の朝8時に集合。


明け方から、次々と新車が到着します。


直ちに仮ナンバーを着けて、予め編成されていたチームごとに車を割り当てて試乗に出発します。

人生は意識によって決定される

「先生、わかった。この病気が治ったら、次からはそう考える」


・・・これではダメなのです。


私たちの人生は、意識によって決定され、意識によって現実化されています。


だから意識のもつ力を知ることが何よりも必要なのです。


どんな意識をもつかはその人の自由ですが、意識のもち方が人生を左右していることは、どんなに強調してもし過ぎることがありません。


人生はその人の意識そのものといっていいのです。


病気になることは、健康について考えるチャンスを与えられたということです。


人間は健康であるときは、決して真の健康のありがたさはわからない。


病気になって、つまり健康を失ってはじめて、健康がどういうものだったのかわかるのです。


そういう意味では病気は天からの贈り物ということができます。

病気を意識しないこと

健康に注意するというのも、だから見方によっては不健康なことです。


最良の方法は病気を意識しないこと。


では、いったいどうしたら病気を意識しないでいられるのでしょうか。


それは意識を病気へ向けないですむような生き方をすることです。


たとえば今日一日を精一杯楽しく生きる。


心配、不安、恐れなど心を暗くすること、うんざりすること、元気が出ないようなことに、エネルギーをできるだけ使わないようにする・・・。


心がわくわくして楽しいことにのみエネルギーを振り向けるのです。


こういういい方はたぶん、病気になってしまった人や、強い不安を抱いている人にはなかなか理解してもらえないことです。


「とにかくいまはこの病気を治さなければ」「そんな気楽なこと、健康だからいえるんだ」と。


だがその気持ちを認めていたら、私がいいたいことは未来永劫わかってもらえないでしょう。


心がわくわくする楽しいことにエネルギーを使うことは、そのことじたいがどんな薬や先端治療法にもまさる最高の治療法なのです。


そうすることによってあなたは病気から解放されるのです。

病気は性格によるもの

医師は本当のことをいっているのですが、それだけガンへの恐怖を強くもっているのです。


そうなると、もう自分の予想どおりに物事が運ばないと納得できない。


24時間、そのことばかり考えている・・・。


こういう人は生命エネルギーを自分の不安、恐怖、心配のためにだけ使っているのです。


同じような生活スタイルでいながら、ある人は病気になり、ある人は病気にならないことがあります。


これを生まれつきの体質、あるいは運、不運という見方もできますが、私にいわせれば一番大きいのは性格です。


病気になりにくい人というのは、ふだんから健康に留意している人ではなく「病気を意識していない人」なのです。


日常の生活で病気のことなんかまるで考えていない。


人間は何も考えていないほど強いものはないのです。


成人病年齢というのがあります。


中年期を迎えると、だれもが「そろそろ成人病に気をつけろよ」という。


それを「そうだな」と意識したとき、実は心のなかに病気の種を植えつけている。


そしてその種に水と栄養分をやるのが、病気への恐れや不安の意識なのです。

病気のことを考えないのが一番

病気を治そうとするなら、このもとから治すことが必要になるのです。


その治すべきもととは何か。


それは結局「意識を変える」ということにつきるでしょう。


これが私が長い間病気とつきあい、また病気治しの遍歴をして得られた結論です。


病気は心のゆがみが原因なのですから、このゆがみを正せばいい。


「ガンはいやだ、ガンにはなりたくない」と思うことは、心にこの恐ろしい病気をイメージすることであり、それは心のゆがみとなってあらわれるのです。


心のゆがみとは具体的にいえば、不安、恐怖、怒り、憎しみ、嫉妬など、人間が抱くマイナスの感情です。


こういう感情をつねに抱いていると、そのイメージが心の不安となってゆがみをつくり、それがさまざまな症状になってあらわれてくるのです。


たとえばこんな人がいます。


ガンが心配で心配でたまらない。


医師が検査してみて「大丈夫ですよ」と答えると


「先生、本当のことをいってください。私は覚悟ができてますから……」


としつこくたずねるような人です。

心のゆがみが病気をつくる

病気治しという奇妙な情熱にとりつかれて、いろいろな世界をさまよったあげく私が得たものは、病気は過去に起因し、過去は変えられるということでした。


過去が変えられるなら、病気の原因を変えることも可能である。


原因を変えれば結果は違ってくる。


世の中で奇跡的な治癒を得た人を見ていると、原因を取り除くことで結果を変えたことにほかならないことがわかります。


このことは病気治しの重要なセオリーとなることです。


これまで私は難病が治るケースをいくつか見てきていますが、難病が治るケースは三つしかないと先に述べました。


逆に病気が治らない人、治っていいはずなのに悪化する人にも3つのパターンがあるのです。


その第一は「治りたくてバタバタする人」、第二に「治らないと思っている人」、そして第三に「治らないほうがよい人」です。


病気に関してはこのパターンで、ほぼすべての人をカバーすることができます。


これらのことについては、また次の機会でくわしく述べてみたいと思いますが、いずれにしろ病気は肉体にばかり目を向けて治そうとしても治りません。


本当の原因は心にある。


心のゆがみが病気をつくっているということです。

過去も未来も現在の一部

過去は記憶の倉庫としての現在であり、未来は想像としての現在です。


・・・だとしたら現在をこしらえているのは過去や未来ではないでしょうか。


どちらも意識の世界であるということは私たちの人生はすべて意識によって形づくられていることになり、だったら意識できるいまという時点で、私たちは自分にとってもっとも好ましい創造をするべきではないでしょうか。


それこそが人生をよりよく生きる唯一にして最良の方法ということになります。


いままで私たちには大きな制約がありました。


それは「過去は変えられない」という制約です。


過去はとりかえしがつかない。


失敗した過去をもっていれば、その失敗からくるマイナスの影響を引き受けなければならない。


そう思っていたはずです。


だから未来にしか希望はない。


だが、その未来も過去を変えられないから、その影響は受けざるをえない。


だから唯一の希望もやがては絶望にすり変わってしまう。


すべては過去によって規制される。


そうやって過去が好ましくない人は、現在も好ましくなく、未来にも希望がもてないという暗い人生を送らなければならなくなっているのです。

病気は過去とかかわっている

病気はすべて過去とかかわっています。


過去の食生活、過去の運動、過去の不摂生、過去の思考、過去の感情、過去のあらゆるものが積み重なって現在の自分があるのです。


その自分が現在病気であるとしたら、そうなるような生き方をしてきたということです。


そして未来も一部かかわってくる。


不安や心配とは未来に向けられたものだからです。


それはまだ確定していない未来を、暗い想像、自分にとっては決して好ましくない想像で満たすことです。


しかしそこに描かれている想像の世界は、想像という点を除けば現実と変わらない。


想像体験によって現在の自分が影響を受けるわけです。


ここからひとつ大変重要なことがわかってきます。


過去と未来は現在とつながっているが、私たちはどこまでいっても現在しか生きられない。


過去をもち、未来があると思っているが、そう思うのも現在しかない。


どこまでいっても私たちは現在にしか生きられないということは、過去も未来も現在の一部であるということです。

いま好ましい想像をする

ここで私が思い出すことがあります。


『後漢書』の有名な言葉で「虎穴に入らずんば虎児を得ず」です。


大事なものを得るには命がけでないとダメだということ。


病気に縁のない人にはわかりにくいと思いますが、難病で苦しんでいる人に「あなたはいま何がほしいですか」と聞くと、「健康です」とだれもが決まって答えます。


健康にさえなれば他に何もいらない。


あるいはもう助からないのなら「自分を他山の石として、家族は病気にならないように」と願う。


・・・欲も得もない高い境地に達しているのです。


病気でなければ、金儲けや地位や名誉といった世俗まみれの事柄に情熱を燃やしていたであろう人間が、重い病気になると仏様のように悟ってしまう。


その意味で私は「病気というものはすごいものだ」と思うようになりました。


総理大臣を何回もやるよりも、難病を一回やったほうがはるかに得るところが大きい。


総理大臣は一回やると「もう一度」と思うようですが、難病は二度とやりたいと思わない。


それだけでも病気ほどすごいものはないといえるのではないでしょうか。

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